このたび、インド・ムンバイで2025年10月7~9日に開催された「Global Fintech Fest 2025(GFF2025)」に、当社CSTO(Chief Strategic Technology Officer)のShembekar Rakesh(シェンベカール ラケシュ)がパネリストとして登壇しました。
パネルディスカッションを行うラケシュ(写真左から2番目)
「Embedded Finance in E-commerce: Personalised Payments, Powering Global Trade」をテーマに、世界のデジタルコマース市場が「決済そのものを競争力とする時代」へと移行する中、「組み込み型金融」(Embedded Finance)がデジタルコマースをどのように変革しているか議論が行われました。
セッションでは、組み込み型金融によってパーソナライズされた決済体験が、シームレスな購買体験の実現、顧客ロイヤリティの向上、越境ECエコシステムの拡大をどのように後押ししているのかについて取り上げられました。
ラケシュは、日本のデジタルコマース市場における「組み込み型金融」成功の鍵として、日本が長年育んできたセキュリティやプライバシー保護などの「信頼の文化」とインドの経済成長を支える「柔軟なデジタル基盤」の融合を挙げました。
日本ではSuicaやPayPayなど多様な決済手段が存在するものの、消費者は一貫して信頼性や安定性、プライバシーを重視していると指摘。
「『組み込み型金融』は単なる技術ではなく、信頼を土台に国と国を“経済的に接続”する仕組み。日本市場はその中で重要な役割を担えるポテンシャルがある」と語り、インドのオープンで拡張性の高いデジタル基盤と、日本の高いコンプライアンス水準を融合させることで、より効率的で持続可能なデジタル決済インフラを構築できる可能性を示しました。
本イベントは、インド決済評議会(Payment Council of India、PCI)、インド国家決済公社(National Payments Corporation of India、NPCI)、Fintech Convergence Council(FCC)の主催による世界最大級のFinTechイベントの1つで、GFF2025のテーマ「Empowering Finance for a Better World Powered by AI / 金融業界がAIや拡張知能(Augmented Intelligence)を通じ、イノベーションと包摂性を融合させながら、持続可能で公平な世界を築く」を掲げ、当日はインドのモディ首相やイギリスのスターマー首相をはじめ、962名のスピーカーが登壇し、364のブースが出展。来場者数は延べ10万人以上と大盛況で閉幕しました。
今後もDGFTは、子会社でDGFTの技術開発を担う「DG FutureTech India」と連動し、グローバルな視点から日本のフィンテック市場の健全な発展を支援してまいります。